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銭湯と昔の近所付き合い

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私は家のお風呂に入ることは年に数回しかないのです! なぜかと言うと家族で市内および近隣の銭湯や温泉に入浴に行くことが、我が家の楽しみの1つなのです。

銭湯で仕事の疲れを癒し、息子とのスキンシップを図り、多くの人との裸の交流の中で、息子に一般道徳を身に付けて欲しいな〜と思っています。

息子と一緒に行く様になって感じることは、不道徳者な大人と子どもが多いことです。

例えば下半身も洗わずに湯船に入る、サウナでタオルを絞る、口に水を含みサウナの温度センサーに噴きかける。こんな光景を皆さんは銭湯で見かけたりしませんか。

私が小学生のころ近所に「乙女湯」(若松町5番地)と言う銭湯がありました。

近所の仲間達(悪たれ坊主たち)と毎日の様にその銭湯行き、近所の小父さんに背中を洗って欲しいと言われては背中を流したり、自分達の体を洗ってもらったりしました。そこには大人と子どもとの垣根もない裸の付き合いがありました。時には湯上りにコーヒー牛乳やフルーツ牛乳、カツゲンをご馳走して貰うことも度々あり子供心なりに嬉しい思いをしました。

その銭湯には刺青を入れたお爺ちゃんや強面のお兄さんらも頻繁にきて本当に様々な交流がありました。
一番記憶に残っていることは、手の指が数本短い(指を詰めた)小父さんが銭湯にいて「指を何したの?」と聞いた事がありました。

小父さんは「悪い事をしたから短くなった」と答え、私は「何回も悪い事をしたから何本も短いの? 痛くなかったの? 病院に行ったの? また生えてくるの?」
と思いつくままに聞きました。すると「坊主達は小父さんの様に悪い事をするなよ!」と優しく話し僕らの頭をなでてくれたのです。

銭湯は子ども達の遊び場、近所付き合いの場、大人と子供の社交場、道徳を学ぶ場でもありました。
私達の幼児期は隣近所の方々に育てられたと言っても過言ではないと思います。

今では無いと思いますが、縁日で色を塗ったカラー「ひよこ」を買い、飼ったはいいが直ぐに大きくなって飼育飽きて困った事がありました。
近所の小父さんに相談したら貰ってくれるとの事で差し上げました。しかし、直ぐに潰され焼き鳥と臓物の煮込みになってしまいました。小父さんは僕らを呼んで、1つの命を貰う代りに自分達が「生きているのだよ」と話してくれました。残酷さと美味しさと「1つの命の大切さ」を近所の小父さんから学びました。

ハナタレ小僧の私がそんな時代に育てられ今があるのだと思います。